会社設立手続き13「設立後③役員給与2」

一つ前の記事で「定期同額給与」ということを書きましたが、今回は、その定期同額給与をどう決めるか、ということなどに触れます。

役員給与を変えられるのは期首から3ヶ月の間だけです。そのため、その3ヶ月という間に、今期の利益を見積もり、その見積もりを元に、1年間変更不可能である給与額を設定しなくてはいけません。

つまり、そのときに考えていたものよりも結果的に会社の利益が増えたり減ったりすれば、法人税の納税額が大きく変わるということになります。

特に気になるのは、売り上げが大きく伸びた場合です。

納税額が大幅に増えてしまった場合、納税の時期に売上は上がっていても、その売上金がまだ入金されていない場合、納税時までに、納税用に資金を用意するということになります。

これは実に恐ろしい話で、納税時までに資金の用意が間に合わずに資金繰りがショートしてしまえば黒字倒産…ということにもなりかねません。

ですから、聞いたことがあるかもしれませんが、「税金のために借金をする」というのは十分にありえる話なのです。実際、私の周りの会社でもその状況になっている人もいます。

また、前回は触れませんでしたが、、使用人兼務役員にすると、その者に従業員として支払う賞与は損金にすることができます。

この使用人兼役員というのは「取締役兼●●部長」というようなものです。

この使用人兼務役員というのは、代表取締役はもちろん、専務取締役、常務取締役などではなく、単なる取締役であることが必要です。

また、使用人という役職に応じた職務を行っていることも必要です。

ということになりますが、個人での独立起業ではなく、仲間と起業するというのであれば、この使用人兼務役員という立場を作り、会社の損金となるように給与を支払う、ということも経営としては一つの方法となります。

ということですが、「損金を増やす=個人の収入が増える」ということも考えなくてはなりません。

給与が増えれば増えるほど、会社も個人も社会保険料の負担というものが増大していくのです。

そのため、法人税、所得税のみならず、社会保険料というのまで視野に入れなくてはならないのです。

となると、もう本当に経営のみに特化していなければ、時間的に無理…となると思います。

ですから私は迷わず税理士をつけたということです。

役員給与というのは変更も可能ではありますが、役員給与変更の決議を行わなくてはなりません。また、それによって税金が増える、ということになったりもしますので、ほぼやることはないと思いますが、一応触れておきます。

この役員給与変更の決議は、取締役会設置会社であれば取締役会で、そうでなければ株主総会で行い、変更理由を議事録に取っておく必要があります。

しかし、期中に役員給与を変更したとしても、過去にさかのぼって適用されることはなく、決議があった日の次の支給からの変更となります。

ということですが、ここまで読めば、細かな話はさておき、給与を決めるという単純作業だけなのに、どれぐらい面倒な話なのか、お分かりいただけたのではないかと思います。

私は別に税理士の営業マンでもなんでもないです。

にもかかわらず、税理士はいないと大変だ、というのは、こういうところにあるのです。

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